麺類ならいける

ラーメンの話

 

その日は仕事終わりに友人とゲームバーへと洒落込もうかと言っていた日だった。

 

しかし、出勤すると明らかに体調の悪そうな課長の姿が

明らかに大丈夫ではない「大丈夫」を唱えながら午前中は仕事をしていたのだが

流石に無理があったのか昼休憩で病院に

 

帰社した課長はインフルエンザという最もポピュラーで破壊的な病気を抱えてやってきた。

 

「ご無理なさらず退社してください」

そう伝えながら

「今日はゲームバー無理だな」

そう思った。

 

結果的に5時間程度の残業を行い、

終電が差し迫っていたころ、ラーメンが食べたいという気持ちに支配されてしまった。

かつ、二郎系のラーメンが食べたい

そう思った。

 

僕の職場のある名古屋にはラーメン二郎は展開していないのだが、その人気から二郎インスパイア系のラーメン屋さんがそこそこあるので、

最寄り駅に一店舗だけある二郎インスパイア系のラーメン屋さんに向かった。

 

雪が降るほど寒く、かつ平日なのに店の前には二組の腹ペコが並んでいた、

だが、数分待つと店内へ呼ばれた

中で待てたんじゃないかと思ったがこれがルールなのだ

仕方ない。

 

券売機でラーメンを選ぶ

ラーメン小とラーメン中が同じ金額で、

それぞれ200gと300gの記載があった。

 

「ん?少なくね?」

そう思ったが、インスパイア系だし、まあそんなもんかな、お店によって違うよな

なんて納得しつつ、ラーメン中を選んだ。

 

この僕ですが、かなりの小食、コース料理も食べきれないことも多い

しかし、ラーメンだけは食べれる、さらに別店舗で500gの汁なしラーメンを完食していることもあるので、

ガッツリ系を求める疲れた体では300g程度余裕だろうと思っていた。

 

ラーメンが届く

 

おかしい

 

300gにしては考えられないボリューム

暴力的な高さのモヤシ

マグマのように流れ落ちるアブラ

僕の中で500gと300gのパラドックスが起きていた

 

思考を巡らせて一つの答えに辿り着いた

「あ、これ茹でる前の300gか」

そう、僕が食べた500gは茹でた後の500gであり、茹でる前は250g程度なのである

 

たった一つの勘違いが大きなミスマッチを起こし

結果的に大きなズレが生まれるのは

得てして恋愛や人間関係でも多々起こることでもある

 

味よし、量とてつもなし

なんとか食べきり店を出た時は不思議と寒さを感じにくくなっていた

 

絶体絶命都市2というゲームで主人公がカップスープを食べると体温低下がゆるやかになることを思い出した

 

「これって茹でる前ですか?後ですか?」

その質問をすべきだった。

「ハイハイ、初心者一名入りましたー!」

と思われるかもしれないリスクをしょってでも

 

正しい情報がいかに身を守るか

たった一杯のラーメンが教えてくれた

 

目に見えているものを自分の範疇だけで想定していいのか

これを読んだみなさんも、

二郎系ラーメンを食べる際は一度立ち返ってみていただければ幸いです。